門扉は家の外まわりを構成するものの中で、住人はもちろんのこと来訪者においてももっとも触れる回数の多いエクステリアです。
だからこそ、使い勝手がよく不便を感じることがあってはいけません。
また、毎日触れるからこそデザインも気に入ってお使いいただきたいものです。
そこで本日は、門扉について、その種類や特徴などを書き、お読みいただいた方にピッタリの門扉が見つかるような内容をお届けします。
種類ごとの設置費用も記載しておりますので、ぜひ最後までお読みくださいませ。
この記事の目次
門扉を設置するメリット
最近では門扉を設けずオープンなスタイルの外構も多く見られるようになってきましたが、門扉を設置することでのメリットについては以下のようなものがあります。
門まわりが美しく見える
門扉のないただの開口だとデザインにも物足りなさが生じます。門扉を設置することで門まわり全体のデザインとしてまとまりができます。
防犯性を高める
誰しもが敷地内に入れるようにしないことで防犯性を高めます。
入口が明確になる
門扉を設置することで住まいへの入り口を明確化するため、来訪者が不測の通路から入ることを防ぎます。
プライバシーを守る
適切な高さを選べば通行人からの視線を遮ることもできます。
子供やペットを守る
子供やペットの道路への急な飛び出しを防ぐことができます。
ポイント
特に昨今の感染症対策が強く求められる状況では、玄関より手前で一度来訪者とのインターホンを通じてのやり取りが有効といえます。適切な門扉を選び、これからの時代に有効な門まわりにしていきましょう。
後悔しない門扉選びのポイント
外構のスタイルにあった門扉を選ぶ
外構のスタイルはオープン、クローズド、セミクローズドの3スタイルに分けることができます。それぞれの良さや特性を理解したうえで、住まいにあった門扉を選びましょう。
- open style -
庭や建物を見せるオープンスタイル
樹木草花や建物を見せるためにあえて門扉やフェンスを低めにしたり、視線の抜けるデザインを用いるスタイル。風通しの良さや近所の人とのコミュニケーションの取りやすさが魅力です。
スタイルに合った門扉
視線の抜けるもの
- closed style -
プライバシーを守るクローズドスタイル
防犯やプライバシーに配慮し、門扉やフェンスを高くすることで周りからの視線の遮るスタイル。外部からの様々なトラブルを防ぐだけでなく、子どもやペットの道路への飛び出しを防ぐなど、安心感の高い暮らしが魅力です。
スタイルに合った門扉
視線の遮るもの
- semi‐closed style -
ほどよく見せるセミクローズスタイル
庭や建物もやや感じ取れる門扉やフェンスを用いることで、ほどよく視線の遮えぎり防犯と開放的なデザインを両立したスタイル。プライベートの境界を明確に示しながらも、街並みと調和することできる点が魅力です。
スタイルに合った門扉
視線のやや抜けるもの
ポイント
クローズドスタイルの門扉やフェンスでは「視線を遮ること」が重要となります。
視線を遮るには門扉やフェンスの高さが肝心となりますので、住まいのスタイルにあった高さを選ぶようにしましょう。
- 通常の門扉の高さ・・・1.2~1.6m程度
- 視線を遮る門扉の高さ・・・1.8~2.0m程度
住宅のデザインに合った門扉を選ぶ
建物の外観に合った門扉を選ぶことで、住まい全体の印象も大きく変わります。逆に統一感のないものを選んでしまうとちぐはぐな印象にもなってしまいます。自分の家がどのようなデザインなのか把握したうえで適したデザインの門扉を選びましょう。
- natural design -
ぬくもりを感じる自然と調和した印象
外観に淡い色を多く使ったナチュラルな印象の住まいには、木目調の門扉がおすすめ。まわりの樹木や草花にも馴染みぬくもりや穏やかな印象を与えます。
デザインに合った門扉
- modern design -
無駄のないクールで都会的な印象
シンプルでスタイリッシュな印象のモダンデザインには直線的な金属色の門扉がおすすめ。サッシ枠などの色と合わせることで住宅にも馴染み、無駄を省いたスマートな印象を与えます。
デザインに合った門扉
- european design -
クラシックながらも可愛らしい印象
伝統的なヨーロッパらしさ感じるような印象のヨーロピアンデザインには、鋳物門扉やオーナメントをあしらった門扉がおすすめ。レンガや白塗りの住宅にも良く合い、クラシックであたたかみのある印象を与えます。
デザインに合った門扉
- california design -
晴れた青空が似合う明るく活発な印象
サーフボードが似合うような印象の西海岸風デザインにはホワイト系の門扉がおすすめ。木目調のものを選べばソテツやヤシなどの植物とも絶妙にマッチングして、自然に西海岸風デザインを強めます。
デザインに合った門扉
- japanese modern design -
シックで落ち着きのある印象
伝統的日本の和と現代的なスタイリッシュさを感じる和モダンデザインには、ダーク系の門扉がおすすめ。住まいの洗練さを高め、重厚感を与えます。
デザインに合った門扉
ポイント
門扉の素材にもさまざまなものがあります。住まいのデザインに合わせてより適したものを選びましょう。
アルミ形材
縦、横、格子など種類が豊富、直線を生かしたシンプルでシャープなデザインが楽しめます。
アルミ形材(木調)
アルミ形材に木調のラミネートが施されたもの。住宅へ馴染みやすい自然な質感が特徴です。
鋳物
高級感や重厚感、優雅さが特徴。鋳物特有の曲線デザインは洋風の建物にピッタリ合います。
樹脂
木粉が入った樹脂でやさしい仕上がり、環境にもやさしく、高い耐久性を備えています。
スチールメッシュ
すっきりとしたデザインで、日当たりや通風を妨げず、開放感のある住まいを演出します。
敷地の状況に合った門扉の種類を選ぶ
アプローチのスペースや門まわりの環境に応じて適した門扉の種類があります。
①開き戸
ドアのように開ける門扉、もっとも普及しているタイプ。片開きや両開きなども選べて、バリエーションも非常に豊富。
こんな敷地にピッタリ!
- 玄関と門扉の間隔が広い
- 開き戸の開くスペースがとれる
②引戸
横方向にスライドする門扉。デザイン性も高く、扉の開閉も静かで滑らかな使いやすさが魅力。
こんな敷地にピッタリ!
- 玄関と門扉の間隔が狭い
- 引き戸の引込みスペースがとれる
③伸縮戸
折りたたんで収納できるタイプの門扉。狭小地での設置が可能。
こんな敷地にピッタリ!
- 玄関と門扉の間隔が狭い
- 門まわりに段差などがあり、引込みのスペースもとれない
ポイント
あなたのアプローチ選びは、使いやすさ優先?魅力的なデザイン優先?
アプローチを彩る方法はさまざまありますが、玄関と門扉の配置関係によってもアプローチを使いやすいものにしたり、視線を集めるような魅力的なものにすることもできます。
正面配置
もっとも一般的な形態です。玄関まで最短の動線がとれます。
直角配置
視界に変化をもたらし、門まわりのスペースを広く使えます。
斜め配置
方向性を変えることで、遊びのある門まわりを演出します。
S字配置
あえて動線を多くとることでアプローチを楽しむことができます。
門扉のサイズ
最低でも60㎝は必要、理想は80㎝
人間が可能な限り自然な動きや状態で使えるように物や空間を設計し、実際のデザインに活かす人間工学という学問があります。人間工学から言えば、大人1人が通る幅は60㎝以上が必要と言われています。
しかしながらこの幅は、何も持っていない状態での必要数値ですので、手に買い物袋をもった状態や自転車を押している状態では使いづらい幅です。
普段の生活に取り入れるとすれば、80cmは欲しいところです。
これから門扉を設置する方や外構の計画をしている方は、普段の生活でどのように門扉を使うかも踏まえ門扉の幅を決めるようにしましょう。
すでに門扉の設置スペースが決まってしまっている場合
例えばすでに開口ができていて、門扉を建てるスペースが120cmあるとします。このとき門扉の大きさを選ぶパターンとして、開き戸であれば、両開き(60cm+60cm)か親子開き(80cm+40cmまたは70cm+50cm)が考えられます。
上記のケースでいえば、親子開きであれば大きい方の扉を使うことで、理想的な扉幅を確保することができます。すでに選べる門扉のサイズが決まっている場合は、開き方のパターンなどで調整をしましょう。
または、開口部を拡げる・狭めるなどのリフォーム工事を行うのも、ひとつの手段です。
ポイント
両開きや親子開きの場合、片方の扉には落とし棒をして普段は開かないよう仕様となっています。
大型家具や家電の搬入時には落とし棒を上げることで開くことができ、開口の幅を広げることができます。
例えば80cm+40cmの親子開きであれば、普段使うときの幅は約80cm、有事の際には約120cmの開口幅をとることができます。こうした仕様も理解したうえで、門扉の幅を選ぶようにしましょう。
門扉設置にかかる費用
門扉設置の費用目安(商品代+工事費)
- 開き戸(片開き) 約9.4万円~
- 開き戸(両開き) 約12.3万円~
- 引戸 約17.7万円~
- 伸縮戸 約19.3万円~
開き戸(片開き)の設置費用
LIXIL 開き門扉AB YR2型 片開き
W06(扉幅600mm)×H10(高さ1,000mm)~
費用 約94,000円~(税込・工事費込み)
開き戸(両開き)の設置費用
LIXIL 開き門扉AB TR2型 両開き
W06(扉幅600mm×2枚)×H10(高さ1,000mm)~
費用 約123,000円~(税込・工事費込み)
引戸の設置費用
LIXIL アーキスライド B型
W13(扉幅1300mm)×H10(高さ1,000mm)~
費用 約177,000円~(税込・工事費込み)
伸縮戸の設置費用
LIXIL アーキシャット
110S(全幅1,123mm)×H10(高さ950mm)~
費用 約193,000円~(税込・工事費込み)
使いやすさがぐっとあがるオプション
プッシュプル錠
通常のレバー錠と違い、把手を押す(引く)ことで門扉を開けることができます。手に荷物を持ったまま開けることができるので、操作性もスムーズ。
電子錠
門扉に近づけるだけでカギの開け閉めが可能な、非接触式の開錠方法です。専用のカードやスマホをかざしたり、リモコンはカバンの中に閉まったままでボタンに触れたり、近づくだけでも開閉するタイプもあり、大変便利です。
オートクローザー
開いた門扉が自動的に閉まります。よりストレスの少ない開け閉めができ、上記の電子錠(オートロック設定)と組み合わせることで面倒な鍵のかき掛けの解消や閉め忘れ防止にも役立ちます。
まとめ
門扉を後悔しないための選び方
- 外構のスタイルにあった門扉を選ぶ。
- 視線を遮るには門扉の高さは1.8m程度必要。
- 建物のデザインと門扉のデザインは調和したものを選ぶ。
- 敷地の状況に合わせて開き戸、引き戸、伸縮戸を選ぶ。
- 門扉の設置位置によって、無駄のない動線とするか遊びのあるアプローチにするかを決める。
- 理想的な門扉の幅は80㎝、最低でも60㎝は必要。
- 門扉の設置費用は、開き戸(片開き)で約9.4万円~、開き戸(両開き)で約12.3万円~、引き戸で約17.7万円~、伸縮戸で19.3万円~。