住宅に住んでいると周囲の視線が気になることが多くあると思います。特に、隣の家との距離が近い場合は、リビングで過ごしている時に庭に出ている隣人と目が合ってしまったり、洗濯物を干している時に目が合ってしまったりなど、気まずい状況になるときもあります。
対策のためには目隠しフェンスを設置することを勧めていますが、フェンス工事において注意するべきポイントを抑えておかないと、予期せぬ隣人トラブルが発生してしまうことがあります。
一度そんなことがあると、関係が悪いままに近所付き合いをすることになり、せっかくの住まいも憩いの場ではなくなってしまいます。
そこで今回の記事では、フェンス工事において気を付けるべきポイントを3ステップでご紹介したいと思います。自分に合ったフェンス選びとともに、隣家にも配慮したフェンス工事を目指しましょう。
トラブルを防ぐ3つのステップ
step.1 境界トラブルを防ぐために境界標を確認
境界標とは「自分の敷地と隣の土地(また道路など)を区切るために設けられる目印」です。フェンスを設置する際には、必ずこの境界標を見て、フェンスを設置していい位置なのかを確認しましょう。
特に境界を区切るブロックの上にフェンスを設置したい場合は注意が必要です。境界標の位置によって、ブロックが自分の所有物なのか、隣地のものなのかが変わってきます。
自分の敷地内のブロックとなるため、フェンス設置は基本的に可能です。
隣家の敷地内のブロックとなるため、フェンスの設置は不可です。
ブロックは隣家と共有となるため、設置には双方で話し合いが必要です。
ポイント
もしも境界標が無い場合は・・・?
土で埋もれてしまったり、破損してしまっていて、境界標が確認できないケースも多々あります。そのような場合は、最寄りの土地家調査士事務所に相談の上、正確な境界を確認してもらいましょう。
step.2 フェンスを設置することで起きるトラブルを予測
たとえ自分の境界内に設置したとしてもフェンスの設置場所が隣の家と近ければ、トラブルが生じることもあります。
日差しを遮ってしまう
フェンスが急に設置されたことで、隣家に差し込む日の光が遮られて、部屋が暗くなってしまうことがあります。
風通しが悪くなってしまう
風通りの良かった隣家の庭が、フェンスで遮られて、洗濯物の乾きが悪くなったり、じめじめすることがあります。
圧迫感をあたえてしまう
隣地側の狭い通路の前に、背の高いフェンスなどを建てると、圧迫感を与えて、より狭苦しく感じさせてしまいます。
外まわりの印象が変わってしまう
フェンス設置することによって、住まいの外まわりの印象を変わりますが、それは隣家にも良くも悪くも影響します。
自分の土地に設置するとは言っても、上記のようにフェンスを設置することによって隣家にも影響を与えることもあります。周囲の状況も踏まえた上でフェンス選びを行いましょう。
step.3 お隣さんにも相談
設置したいフェンスが決まったら、どのようなフェンスで・どのくらいの大きさのフェンスを設置したいのか、隣の方にも一声かけることが大切です。
自分の敷地内だからといって勝手にフェンスを設置してしまうと相手の心象も良くなく、関係が悪くなったり、トラブルにつながる恐れもあります。
事情をきちんと相談して、隣の方からも了承を得たうえで工事を行いましょう。
ご近所への配慮ができるおすすめのフェンス
風通しに配慮したタイプ
プライバシーは守り、通風を遮らない
見た目は完全に視線を遮るような目隠しタイプですが、フェンスのパネルがルーバー状になっていて、適度に風を通すことができます。
日差しに配慮したタイプ
プライバシーは守り、日当たりを遮らない
フェンスが半透明のパネルになっているタイプであれば、自宅も隣家も明かり光を採りこみながら、お互いの視線を気にせず過ごすことができます。
圧迫感に配慮したタイプ
視線の高さは目隠し、足元はすっきり
背の高いフェンスを設置する場合は多段タイプがおすすめ。視線の高さのみ目隠しにして、足元は視線が通るものにすれば、隣家への圧迫感を和らげることができます。
まとめ
フェンス工事での隣人トラブルを防ぐポイント
- フェンスを設置する前には、隣人とのトラブルを防ぐ3ステップをしっかり行う。
- step1:設置して良い位置なのかを境界標で確認。
- step2:フェンスを設置することで隣家にどのような影響を与えるか確認。
- step3:隣家にもフェンスを設置したいことを相談・了承を得る。
- 隣家にも配慮したフェンス選びを行う。
ご近所の方々と良好な関係を保ち、過ごしやすい住まいとするために、トラブルを防ぐ対策を行いましょう。
また、工事前には工事案内(工期や工事内容の案内)を近隣住宅に行うことも大切です。
工事業者によっては、一緒に隣人への工事や商品の説明を行ってくれる場合もありますので、そういった点も業者選びのポイントにしましょう。