カフェや商業施設などで目にすることのあるオーニング。海外のような雰囲気がありとってもおしゃれですよね。
日除けにもなるオーニングの下で心地よい風を感じながら過ごす時間は、得も言われぬ幸福感を感じることができます。
最近では一般の住宅にも設置される方が増えてきていて、ウッドデッキやタイルデッキと組み合わせることで、オープンテラスのようなくつろぎの時間を過ごせる空間として活用されています。
そんなオーニングを本日はご紹介するとともに、正しい選び方や設置費用を解説してまいりますので、ぜひ最後までお読みくださいませ。
オーニングとは?
オーニング(Awning)とは英語で直訳すると「日除け」「雨除け」という意味になります。
ヨーロッパなどでは古くから住宅や商業施設などに広く活用され、窓やテラスをおしゃれに彩ってきました。
屋根となる部分は布製で、骨組みは金属製でできています。オーニングの多くは可動式で、張り出したり巻きあげたりして幅を自由に調整できるようになっています。
日本でも個人商店の軒先やカフェなどで設置されていることを目にすることがあります。
オーニングの魅力・メリット
日除けになる
夏のギラギラした日差しを防ぎ、心地よい日陰をつくりだします。ウッドデッキの表面が熱くなるのも防いでくれるでしょう。
省エネ効果
室内に入る日射も防ぐことで室内の温度上昇を防ぎます。エアコンの効きもよくなり省エネ効果にも期待がもてます。
UVカット
フローリングや家具の劣化につながる厄介な紫外線を効率的にカットします。
雨除けになる
多少の雨であれば防ぐことができます。雨の日でもオーニングの下で過ごしたり洗濯物を干すこともできます。
可動式で折り畳める
使用しないときは折りたたんで収納もできるため、季節やシーンによって日差しを調整することもできます。
優れたデザイン性
オーニングをつけることで住まいのおしゃれさもアップ。屋根となる生地のバリエーションも非常に豊富で、住宅のスタイルに合わせて選ぶこともできます。
プライバシー保後
隣接するマンションなどの上階からの視線を遮り、プライバシーを保護する効果があります。
オーニングの種類
主に「壁付けタイプ」と「独立タイプ」の2種類。
壁付けタイプ
一般住宅などでも採用されることの多いタイプ。外壁にねじ打ちでしっかりと固定します。布製の屋根に金属製のフレームと可動するアーム部分で構成されています。
独立タイプ
カフェや商業施設で採用されることのあるタイプ。金属製の柱がついていて、地面に固定することで建物から離れた場所にも設置することができます。
ポイント
壁寄せタイプ
壁付けのように窓の上部につけたいけど、壁に穴を開けたり、ねじ打ちするような工事は避けたい方向けに「壁寄せタイプ」というものもあります。
外壁付近にやぐらを組んで、それを取付けるための下地にすることで、壁を傷めることなくオーニングを設置することができます。
専門店が教えるオーニング選びのポイント
それでは具体的にオーニングを選ぶ場合、どのようなポイントをチェックして、自分にあったものを選んでいくかを説明してまいります。
サイズを選ぶ
適したサイズを選ぶことで、効率的に日射を防いだり雨を防いでくれたりします。ピッタリサイズで見映えも良くしましょう。
オーニングの間口(横幅)
窓より90cm大きいサイズがおすすめ
窓と同じサイズにするのもありですが、日差しをなるべく防ぎたい方は窓の幅より90cm程度大きいサイズを選びましょう。この目安であれば窓を中心に設置すると左右に45cmほど大きいサイズになり、見た目もバランス良く見えます。
オーニングの出幅
日除けしたいスペース+50cm大きいサイズが目安
日光の高さ・角度は時間帯や季節によっても変わりますが、夏季には75°~78°の位置から日光が降り注ぎます。お庭が南向きの場合、日除けしたいスペースよりも50cmほど大きい出幅を選ぶことで適度な日陰をつくることができます。
ポイント
オーニングの角度調整機能
商品によってはオーニングが開いたときの角度を変えられるものがあります。
西日のような低い位置の日差しは通常だと防ぎづらいので、角度調整機能をつかって上手に対策を行いましょう。
生地を選ぶ
オーニングの屋根部分は、防水加工や防汚加工がなされたキャンバス生地が使われています。
生地の種類を選べる場合には、それぞれの性能を確認して自分にあったものを選びましょう。
アクリルキャンバス
耐水性能 1000mm/h
発色ポリエステルキャンバス
耐水性能 1500mm/h
防汚防炎耐候
熱線遮断アクアキャンバス(ポリエステル)
耐水性能 1500mm/h
遮熱防汚防炎耐候
アクアシャインキャンバス(ポリエステル)
耐水性能 1500mm/h
光触媒防汚防炎耐候
※参考:LIXIL 彩風の生地ラインナップ
耐水性能、それぞれの性能
耐水性能とは、雨など外から降りかかる水にたいしてどのくらいまで耐えられるか(水を通さない状態を保てるか)を示したものになります。レインコートやテントなどにもこの耐水性能(耐水圧)が表示されており、通常〇〇〇mmの数値で示されます。
目安ではありますが、小雨で300mm、中雨で2,000mm、大雨で10,000mmの耐水性能(耐水圧)が求められます。
発色 発色性に優れ、高級感があります。
防汚 フッ素樹脂コートにより汚れがつきにくく・落ちやすい。
防炎 火災予防条例が制定された場所にも設置可能。
耐候 複層構造で紫外線による劣化がしにくい。
遮熱 生地が熱くなりにくく、涼しさアップ。
光触媒防汚 光触媒の力で汚れを分解して、水でサッと落ちる。
カラーを選ぶ
金属製フレームとキャンバス生地のカラーを選べます。
住宅の外観に合わせておしゃれにコーディネートしましょう。
金属製フレームのカラー
シルバーやブラウンなど5~6色程度のバリエーションがあります。
窓(サッシ)の色に合わせると馴染みやすく、違和感が生じません。
キャンバス生地のカラー
オーニングの生地はバリエーションが非常に豊富です。住まいの雰囲気にあわせて、自分色を表現しましょう。
ベージュ系
ナチュラルな印象の生地色は緑豊かな暖色系の住宅にマッチ
ブラウン系
シックな印象の生地色にはアンティーク感のある趣深い住宅にマッチ
グレー系
スタイリッシュな印象の生地色には金属カラーを多くつかった現代的な住宅にマッチ
グリーン系
落ち着いた印象の生地色にはライトカラーのウッドデッキが似合う住宅にマッチ
ブルー系
爽快な印象の生地色には大人の遊び心を感じるさわやかな住宅にマッチ
ビビット系
オレンジやレッドの生地色は住宅のアクセントカラーになり個性を表現
ストライプ柄
特徴ある縦縞模様はオーニングらしさを引き立てモダンな洋風住宅にマッチ。
ポイント
オーニング カラーシミュレーション
メーカーによっては、CGシミュレーションなどでオーニングのカラーをイメージ化するサービスを行っているところもあります。自分の住まいに合ったものを選ぶためにも、こういったサービスを積極的に利用しましょう。
開閉方法を選ぶ
オーニングの開け閉めは「手動式」と「電動式」があります。
それぞれにメリット・デメリットがありますのでチェックしましょう。
手動式
操作用のハンドルをくるくると回して開け閉めを行います。
メリット
- 電動式に比べると設置費用が安い
- 構造が複雑でないため故障が少ない
デメリット
- 開け閉めが頻繁だと操作が面倒
電動式
スイッチタイプ
壁に取り付けたスイッチで開閉操作を行います。停電などの非常時にも開閉操作ができる「電動/手動併用タイプ」もあります。
リモコンタイプ
リモコンで開閉操作を行います。日光や強風を感知して自動的に開閉する「風力/陽光センサー」をつけることもできます。
メリット
- 開閉作業がラク
- センサーを付ければ、急な強風にあっても自動的に閉まる
デメリット
- 手動式に比べると設置費用が高い
- モーターなどの経年劣化による故障がある
オーニングの費用
オーニング設置の費用(商品代+工事費)
- 壁付け型(手動) 約16万円~
- 壁付け型(電動) 約22万円~
- 壁寄せ型(手動) 約23万円~
- 独立型 約50万円~
LIXIL オーニング 彩風S型
設置費用 約158,000円~(税込・工事費込み)
サイズ 間口1,820mm×出幅1,250mm~
開閉方法 手動式
LIXIL オーニング 彩風CR型
設置費用 約202,000円~(税込・工事費込み)
サイズ 間口1,820mm×出幅1,250mm~
開閉方法 手動式
LIXIL オーニング 彩風C型(電動式)
設置費用 約224,000円~(税込・工事費込み ※電源の配線工事別途)
サイズ 間口1,820mm×出幅1,250mm~
開閉方法 電動式(リモコンタイプ)
LIXIL 独立オーニング
設置費用 約502,000円~(税込・工事費込み)
サイズ 間口2,000mm×出幅2,000mm~
開閉方法 手動式
まとめ
オーニングを選ぶポイント
- オーニングの種類は「壁付け型」、「独立型」、「壁寄せ型」。
- 間口(横幅)は窓より90cmほど大きいサイズが目安。
- 出幅は日除けしたいスペースよりも50cmほど大きいサイズが目安。
- オーニングの角度調整機能を使って日射を防ぐことも可能。
- キャンバス生地(屋根材)には防汚機能や防炎機能がついたものもある。
- 本体の金属骨組みは窓の色に合わせるのがベター。
- キャンバス生地は住まいの雰囲気に合わせてコーディネート。
- オーニングの費用は壁付け型(手動)で約15万円~、壁付け型(電動)で約21.5万円~、独立型で約34万円~。