皆様がご想像されるカーポートやサイクルポートはどのようなものでしょうか?
多くの方が「透明な屋根」をご想像されるのではないでしょうか。中には違ったものを想像された方もおりますでしょうか。
今回はカーポートやサイクルポートの要ともいえる“ 屋根 ”について解説をしていきます。
屋根材の種類とそれぞれのメリット・デメリット、価格差などをご紹介することで、後悔しないための屋根材選びに活かしていただけたらと思いますので、ぜひ最後までお読みくださいませ。
屋根材の種類
- ポリカーボネート板
- スチール折板
- アルミ形材(アルミ板材)
- FRP材
- 生地
ポリカーボネート板
もっともポピュラーで人気の高い屋根材です。
透明な屋根材といえば、昔はアクリル板が使われていたのですが、強度・耐久度ともにすぐれたポリカーボネート板が近年では広く普及しています。その強さは、機動隊などが使うライオットシールドもポリカーボネート製ということからもうかがえます。見た目からもわかるように太陽光を透過させるためカーポート下が暗くなりにくいのも特徴の一つです。
メリット
- 太陽光を透過させるためカーポート下が暗くなりにくい(紫外線も99%カットで車も傷みにくい)。
- 軽い素材かつ加工しやすいため、屋根の形(カーポートの形)が豊富。
デメリット
- 透明がゆえに、下から見上げた時に天面についた汚れが見えやすい。
- 熱線はカットするものの、夏場はカーポート下であっても車が熱くなりやすい。
スチール折板
工場等の屋根としても利用される、山谷形状の金属屋根材です。
屋根材の中では、風対する強さ・雪に対する強さは1番です。豪雪地で採用されることの多い屋根材ですが、近年の異常気象もあって、関東などの地域でも設置されるケースが増えてきました。
メリット
- 雪・風に対して非常に強い。
デメリット
- 非透過の屋根材のためカーポート下が暗くなる。
- 見た目が無骨になりやすい。
- 他の屋根材に比べ結露が発生しやすい。
アルミ形材(アルミ板材)
カーポートを構成する柱や梁などと同じ材料でできた屋根材です。
他の屋根材と比べると近年流通されはじめました。特徴はデザイン性が高いという点で、これまでのカーポートの見た目を一新するようなデザインが多く、住宅が立ち並ぶ場所でも周囲の目を引きます。
メリット
- デザイン性が高いものが多く、住まいに馴染みやすい。
- 屋根材の中に空洞があることによって、表面結露を軽減する効果がある。
- 照明を屋根材に組み込めるものもあり、デメリットになりがちな「暗がり」を防ぐこともできる。
デメリット
- 他の屋根材に比べ高価。
- サイズバリエーションや商品数が少ない。
RFP板
正式名称はFiberglass Reinforced Plastics(繊維強化プラスチック)といいます。
見た目はポリカーボネート板と変わりませんが、強化材としてガラス繊維が入っています。
メリット
- 防火性能が高く、ポリカ板が使用できない地域でも設置できる場合がある。
- ガラス繊維が日射を拡散するため、より高い遮熱効果がある。
- 温度差による伸縮が小さいため、ポリカ板で発生するパキパキ音がおこりづらい。
デメリット
- ポリカ板と比べると約3倍程度高い。
- ポリカ板と比べると透明度が低い。
生地シート
アクリルなどの化学繊維でつくられた防水の生地です。
簡易組立式のパイプ車庫や自転車屋根などで使われています。その他の屋根材に比べ、価格が安いことが特徴です。また工事を必要としない商品が多いため自身で簡単に設置できることも特徴の一つといえます。
メリット
- 屋根の張替えが比較的かんたん。
- 車を囲うようなガレージタイプにも適している。
デメリット
- 耐用年数が短い。
- 紫外線による退色が早い。
- 風に対して非常に弱く、風に飛ばされないような工夫が必要。
- 雪や雹に対して弱く、積雪した際には注意が必要。
屋根材の比較
価格の比較
屋根材1㎡あたりの価格
- ポリカーボネート板・・・約2,000円/㎡
- ポリカーボネート板(熱線吸収タイプ)・・・約2,200円/㎡
- 生地シート・・・約2,900円/㎡
- スチール折板・・・約3,700円/㎡
- FRP板・・・約6,600円/㎡
- アルミ形材・・・約12,600円/㎡
- アルミ形材(木調ラッピング)・・・約20,500円/㎡
性能の比較
ポリカーボネート板
耐用年数 15~20年 耐候性 遮熱性
カーポート本体の構造によることとなりますが、強風や豪雪にも耐えることのできる耐候性があります。遮熱性に関しては、透過した太陽熱により車内が熱くなることもあります。また耐衝撃性に優れた素材ですが、耐用年数を超えると劣化により屋根材自体の粘り気がなくなり、雹などにより割れやすい状態になることもあります。
スチール折板
耐用年数 25~30年 耐候性 遮熱性
重く硬い素材のため、耐候性は屋根材の中ではもっとも強いです(結露には注意)。日陰をつくることができますが、屋根材自体が熱くなり放射熱が発生する可能性もあります。基本的には耐用年数も長いですが、塗装面の下の素地までキズが入ってしまうと、そこから錆びが広がったりするので注意が必要です。
アルミ形材
耐用年数 20~25年 耐候性 遮熱性
軽く薄い素材のため、積雪や強風などによる変形に注意が必要です。屋根材の中に空洞があることによって、高い遮熱性をもっています。スチール折板同様に耐用年数は長いですが、紫外線により15年前後から塗膜の退色が進行する可能性があります。
FRP板
耐用年数 15~20年 耐候性 遮熱性
基本的にはポリカーボネート板と同様の性能を持ちますが、ガラス繊維が日射を拡散するため、より高い遮熱効果があります。
生地シート
耐用年数 5~8年 耐候性 遮熱性
耐候性は低く強風や積雪には注意が必要です。紫外線による退色や劣化が他の屋根材に比べ早いため、耐用年数が短い傾向にあります。
ポイント
屋根材のサンプル
販売店によっては、屋根材のサンプルを用意しているところもあります。実物を見てみたいという方はサンプルを手配してもらいましょう。屋根材の色も確認できるのでおすすめです。
まとめ
当記事のまとめ
- 屋根材の種類は、「ポリカーボネート板」「スチール折板」「アルミ形材」「FRP板」「生地シート」がある。
- コスパ重視の方には「ポリカーボネート板」がおすすめ。
- 耐候性・耐久性重視の方には「スチール折板」がおすすめ。
- 見た目・デザイン性重視の方には「アルミ形材」がおすすめ。
- 屋根材のサンプルを手配して、実際に確認してから決めましょう。